色がバラバラだと信用が逃げる?統一感ある配色のつくり方
はじめに
ホームページに訪れたとき、「なんとなく安心できる」「信頼できそう」と感じたことはありませんか?逆に「なんだかチグハグ」「怪しい」と思って離脱した経験もあるかもしれません。
この“なんとなく”の印象、その大きな要因の一つが「色の統一感」です。特に中小企業や個人事業主、フリーランスなど、信頼が商売の根幹をなす方々にとって、配色の工夫は決して軽視できないポイントです。
この記事では、なぜ配色の統一感が信頼性に繋がるのか、また初心者でも実践できる配色のつくり方を丁寧に解説します。
なぜ「色の統一感」が信頼に影響するのか?
1. 見た目の“整い”が安心感を生む
人間は視覚から得る情報に大きく左右される生き物です。ある研究によれば、訪問者がWebサイトに対して抱く第一印象の9割近くが“視覚情報”によって決まるとされています。中でも色彩は、情報認知や感情への影響が特に大きく、整った色使いは「管理が行き届いている」「丁寧な仕事をしていそう」といった好印象を与えるのです。
2. 色は「ブランドの一部」だから
企業や事業にとって、色は“視覚的アイデンティティ”の中核です。大企業がロゴカラーを大事にするように、小規模な事業者も配色を戦略的に扱うことで、見た人の記憶に残りやすくなります。たとえば、スターバックスの緑、マクドナルドの赤と黄色のように、色そのものが「ブランド」の一部になるのです。
3. バラバラな配色は「迷い」や「適当さ」を感じさせる
統一されていない色使いは、無意識に「この会社は何をしたいのかよく分からない」「まとまりがない」といった印象を与えます。逆に配色が整理されていると、事業の方向性やビジョンが明確に見えることにも繋がります。
統一感のある配色をつくるためのステップ
ステップ1:テーマカラー(メインカラー)を決める
まず中心となる色=テーマカラーを一色決めましょう。これはブランドの個性やメッセージを象徴する色です。たとえば、信頼・安心感を重視するなら青系、活動的・元気なイメージなら赤やオレンジなどが適しています。
POINT:色が与える心理的印象の例
- 青:信頼・誠実・冷静
- 緑:安心・自然・調和
- 赤:情熱・エネルギー・緊張感
- 黒:高級感・強さ・モダン
- 白:清潔・シンプル・余白
ステップ2:サブカラーを2〜3色選ぶ
テーマカラーに合う補助的な色を選びましょう。このとき「色相環(しきそうかん)」というツールが役立ちます。色相環とは、色の関係を視覚的に示した円形図のことで、補色(反対側の色)や類似色(近い位置の色)を選ぶ際に便利です。
おすすめの配色関係
- 類似色配色:落ち着き・調和(例:青+水色+緑)
- 補色配色:印象的でコントラストが効く(例:青+オレンジ)
- トライアド(三角形)配色:バランスの良さ(例:赤+青+黄)
ステップ3:アクセントカラーを1色決める
アクセントカラーは、ボタンや見出し、CTA(コール・トゥ・アクション)など、注目してほしい部分に使います。全体の色から浮かびすぎず、でも目立つ色を選びましょう。
ステップ4:使用比率を意識する
色を選ぶだけでなく「どの色をどれくらい使うか」も重要です。
黄金比の例
- メインカラー:70%
- サブカラー:25%
- アクセントカラー:5%
この比率で配色を構成すると、全体がまとまりやすくなります。
無料で使える配色ツール紹介
初心者でも手軽に統一感のある配色が見つけられるツールをいくつか紹介します。
- Adobe Color(https://color.adobe.com/)
プロも愛用する配色ツール。色相環を使って補色、類似色、トライアドなど多様な配色が可能。 - Coolors(https://coolors.co/)
ボタン一つでランダムに配色を提案してくれる。お気に入りの組み合わせを保存可能。 - Happy Hues(https://www.happyhues.co/)
具体的なWebレイアウトに色を当てた状態で確認できるため、イメージしやすい。 - Color Hunt(https://colorhunt.co/)
トレンドカラーや人気の組み合わせが豊富。デザインの参考に最適。
実例で学ぶ:良い配色・悪い配色
良い例:ある士業サイト
- テーマカラー:ネイビーブルー(信頼・誠実)
- サブカラー:グレー、白
- アクセント:ゴールド(高級感)
使用比率がしっかり守られており、落ち着きと信頼感を演出
悪い例:配色がカラフルすぎる飲食系サイト
- ピンク、緑、水色、オレンジなど多数の色が混在
- ボタンの色もバラバラで目立たない
- ユーザーが迷子になる設計
最後に
色の統一感は、ただの「デザインの好み」ではありません。それは訪問者に安心感を与え、事業への信頼を醸成する強力なツールです。専門的なデザインスキルがなくても、基本のルールを押さえるだけで、印象は大きく変わります。
ホームページ制作を検討している方にとって、この記事が一つのヒントとなれば幸いです。