WordPressを導入する際にありがちな5つの誤解
ホームページを持つことは、今や企業や個人のビジネスにとって欠かせないものとなっています。
その中で、手軽に始められカスタマイズ性も高いCMS(コンテンツ管理システム)として特に人気なのが「WordPress(ワードプレス)」です。
しかし、WordPress導入に関しては多くの誤解や勘違いが存在し、それが原因で思わぬトラブルや失望を招くことも少なくありません。
ここではWordPressを導入・運用する際によくある5つの誤解について、わかりやすく解説します。
1. WordPressは完全無料で使えると思っている
誤解の内容
「WordPressは無料だから、ホームページを作る費用がかからない」と思う方は多いです。
実際はどうなのか?
WordPressの本体(システム自体)はオープンソースで無料です。誰でも公式サイトからダウンロードして自由に使えます。
ですが、ホームページを運営するためには、サーバーやドメインという別の費用が必ずかかります。
サーバー:ホームページのデータを置く場所。レンタルサーバーの月額費用が必要。
ドメイン:ホームページの住所となるURL。年間で取得費用が必要。
さらに、デザインテーマやプラグイン(機能追加のソフト)には無料のものもありますが、高機能や独自性を求める場合は有料テーマや有料プラグインの購入が必要になることもあります。
ポイント解説
オープンソース
「オープンソース」とは、誰でも無料で利用できるソフトウェアのこと。コードが公開されているため、自由に改良や再配布も可能です。
サーバーとドメイン
ホームページをネット上に公開するには、「サーバー」と「ドメイン」が必要不可欠です。サーバーはホームページのデータ保管庫、ドメインは住所のような役割を持ちます。
2. WordPressなら誰でも簡単にホームページが作れる
誤解の内容
「WordPressは簡単だからパソコンが苦手でも大丈夫」と考え、すぐに自分で作ろうとする人がいます。
実際はどうなのか?
WordPressは確かに初心者でも始めやすいツールですが、全てが自動で進むわけではありません。
初期設定、テーマの選定・カスタマイズ、プラグインの導入・設定、セキュリティ対策、SEO(検索エンジン最適化)対応など、学ぶべきことは多くあります。
また、カスタマイズを進めるうちに専門的な知識(HTMLやCSS、PHPといったウェブ技術)に触れることも少なくありません。
ポイント解説
テーマ
WordPressの「テーマ」はサイト全体の見た目やデザインを決めるテンプレートのこと。無料・有料があり、選んだテーマによってカスタマイズの自由度や操作性が大きく変わります。
プラグイン
「プラグイン」とはWordPressに機能を追加するソフトウェア。例えばお問い合わせフォームやSEO対策機能を後から足すことができます。
SEO(エスイーオー)
「SEO」とは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンで自分のサイトが上位に表示されやすくなるように工夫することです。
3. WordPressはセキュリティが弱いと思われがち
誤解の内容
「WordPressは世界中で狙われているから危険」「セキュリティが甘い」というイメージを持つ人がいます。
実際はどうなのか?
確かにWordPressは世界で最も利用されているCMSであるため、悪意のある攻撃の対象になりやすいのは事実です。
しかし、それはどのCMSやウェブサイトも同じで、特にWordPressだけが特別に危険というわけではありません。
大切なのは、最新版にアップデートをすること、信頼できるプラグインを使うこと、強力なパスワードを設定すること、不要な機能は使わないこと、そして定期的なバックアップを取ることです。
ポイント解説
アップデート
WordPress本体やプラグインは定期的にアップデート(更新)され、セキュリティの脆弱性(弱点)が修正されます。これを怠ると攻撃されやすくなります。
バックアップ
もしものトラブルに備え、データのコピーを別に保管すること。これがあると復旧がスムーズです。
4. WordPressで作ればすぐに検索で上位表示されると思い込む
誤解の内容
「WordPressにすればGoogleで上位に出る」「集客できる」と期待しすぎることがあります。
実際はどうなのか?
WordPress自体に検索順位を上げる魔法の機能はありません。
検索エンジンの評価は、コンテンツの質、更新頻度、サイトの速度、ユーザー体験(UX)、被リンクの数など多くの要素で決まります。
WordPressはSEOに有利な仕組みやプラグインが豊富で、工夫次第で検索上位を狙いやすいのは確かですが、努力や知識、継続的なメンテナンスが欠かせません。
ポイント解説
コンテンツ
サイトに掲載する文章や画像、動画などの内容のこと。質が高く、ユーザーの役に立つ情報が評価されます。
被リンク
他のサイトから自分のサイトへのリンクのこと。多くの良質な被リンクがあると検索エンジンからの信頼度が高まります。
5. WordPressは導入後はほったらかしでも大丈夫と思う
誤解の内容
「ホームページが完成したら、もう何もしなくていい」「放置しても問題ない」と思う方もいます。
実際はどうなのか?
WordPressサイトは導入後も定期的な管理が必要です。
- プラグインやテーマのアップデート対応
- セキュリティ対策の強化
- コンテンツの更新や追加
- サイトの動作確認とトラブル対応
これらを怠ると、サイトの表示が崩れたり、攻撃を受けたり、検索順位が下がったりするリスクがあります。
ポイント解説
運用・管理
ホームページは「作って終わり」ではなく、育てていくもの。定期的に手を入れることで効果が出やすくなります。
まとめ
WordPressは非常に強力で柔軟なCMSですが、そのメリットを最大限活かすためには正しい理解と継続的な運用が不可欠です。
導入時の誤解を避け、現実的な視点で計画を立てることで、長期的に成果の出るホームページ運営が可能になります。