ネット広告を使わずSEOだけで毎月10件の問い合わせを得る方法

インターネット広告を使わず、純粋に検索エンジン対策(SEO)だけで毎月安定的に10件以上の問い合わせを得ることは可能です。特に、弁護士・司法書士・行政書士・税理士・会計士・社労士といったいわゆる「士業」の方々にとって、これは現実的かつ再現性のある施策です。

もちろん、魔法のように「一晩で効果が出る」というものではありません。しかし、正しい設計と粘り強い実行があれば、広告費をかけずとも、継続的な問い合わせを実現することは可能です。この記事では、実際にSEOだけで問い合わせを得ている士業サイトの共通点や、再現可能な具体的なステップを解説します。

SEOだけで問い合わせが来る仕組みとは?

検索意図(Search Intent)に応えることが出発点
ユーザーがGoogle検索を使うとき、その裏には「何かしらの悩み・問題・欲求」があります。
例えば、「離婚 公正証書 作成 行政書士」などで検索している人は、かなり具体的なニーズを持っていることがわかります。

SEOだけで問い合わせを得るには、この検索意図をピンポイントで捉えたページを用意し、そのページが検索上位に表示されるように設計する必要があります。

ステップ①:キーワード設計に命をかける

SEOで最も重要なのは、「どのキーワードで上位表示を狙うか」です。
士業の世界では、以下のようなキーワードがよく検索されます。

  • 離婚協議書 作成 行政書士
  • 顧問契約 税理士 相場
  • 就業規則 作成 社労士
  • 成年後見 申立て 司法書士

これらは「ロングテールキーワード」と呼ばれ、検索ボリューム(検索数)は少ないものの、成約率が高く、競合も比較的少ないのが特徴です。

キーワード設計のコツ

  • サービス+地域名(例:顧問契約 社労士 大阪)
  • 課題+資格名(例:相続 登記 司法書士)
  • 具体的な用語や事例(例:小規模宅地等の特例 税理士)

無料のキーワード調査ツールとしては「ラッコキーワード」「Googleキーワードプランナー」などがあります。

ステップ②:コンテンツの深さと構造

1記事=1テーマ
まず大原則として、1つのブログ記事にあれこれ詰め込まず、1記事1キーワードに集中させます。

例)
❌ × 「離婚と相続と後見人を解説」
⭕ 〇 「離婚協議書の書き方と行政書士に依頼するメリット」

構造は「PREP法」+「導線」
P(Point):結論
R(Reason):理由
E(Example):事例や体験談
P(Point):まとめ、提案

この構造で記事を書くと、読み手にも検索エンジンにも伝わりやすくなります。

ステップ③:専門性と信頼性を打ち出す

Googleは、E-E-A-Tという概念を重視しています。

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

この中でも、士業の方が意識すべきは「専門性」「信頼性」です。

どう表現するか?

  • 実務経験に基づく体験談を盛り込む
  • 匿名でも構わないので具体的なケースを紹介
  • 専門用語は解説付きで(例:「遺留分侵害額請求」とは…)

読者が「この人なら信頼できる」と感じることが、問い合わせにつながるきっかけになります。

ステップ④:内部リンク設計と導線の工夫

SEOは記事単体で完結するものではありません。サイト全体の構造も非常に重要です。

例えば、

  • 「遺言書の種類」の記事から → 「遺言書作成サポート」のページへリンク
  • 「就業規則とは?」の記事から → 「就業規則 作成の流れ」へリンク

このように、読者が自然とサービス説明ページやお問い合わせページに移動する「導線」を設計しておくことがカギです。

ステップ⑤:ローカルSEOで地元からの流入を強化

士業のサービスは「地域密着型」が基本です。そのため、

  • 地域名をタイトルや本文に自然に盛り込む
  • Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)を活用
  • 地元のニュースや制度を話題にした記事を投稿

こうした工夫で、地域キーワード検索に強いサイトを育てていくことができます。

ステップ⑥:記事は“資産”になると考える

SEO施策の良いところは、一度書いた記事が長期的に資産として働くことです。

ある司法書士のブログでは、3年前に書いた「相続登記の義務化とは?」という記事が今でも検索1位に表示され、月に5件以上の問い合わせにつながっています。

逆に、広告は費用を止めたら即アクセスゼロになります。だからこそ、広告に頼らずSEOで記事を積み上げる価値があるのです。

補足:問い合わせを「得られる」サイトの条件

どれだけSEOでアクセスを集めても、問い合わせにつながらなければ意味がありません。問い合わせが入るサイトには以下の共通点があります。

  • スマホ表示に最適化されている
  • フォームが簡潔で入力しやすい
  • 顔が見える(人物紹介や写真)
  • 料金や対応エリアが明記されている
  • 安心感のあるデザインと文体

SEOは入口でしかありません。その先の「信頼感」や「ストレスのない導線設計」があってこそ、問い合わせという“出口”にたどり着きます。

最後に:SEOだけで生きる、という戦略

広告費をかけず、SEOだけで安定して問い合わせを得る戦略は、時間こそかかるものの再現性が高く、資産性があるのが最大のメリットです。

特に士業の方々は、専門性が高いため、Googleからの評価を受けやすい土壌があります。そして、その専門性を「読み物」の形で丁寧に見せることで、検索上位を取り、問い合わせにつなげることが可能です。

検索からの集客は「待ち」の姿勢に見えて、実は「積極的な信頼構築」です。
広告に頼らずとも、信頼と文章の力で10件の問い合わせを得ることは、確実に現実の話です。