実績ゼロでも“頼れそう”に見える構成テクニック

「ホームページを作ったはいいけれど、問い合わせが来ない。」

こんな悩みを抱える士業の方は多いはずです。司法書士、行政書士、税理士、社労士…。どの業種も、基本的には“信用”がすべて。だからこそ、ホームページでも「信頼感」をどう演出するかが鍵になります。

ところが、開業して間もないと「実績」がほとんどありません。「〇〇件の相談実績!」「〇〇年の経験」などの決まり文句を使うこともできない。

では、実績がなくても「頼れそう」「しっかりしてそう」と見せるには、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、“実績ゼロ”でも第一印象で信頼を勝ち取るための【構成テクニック】について詳しく解説していきます。ブログにも、ホームページにも使える考え方です。

なぜ「実績がなくても頼れる」に見せる必要があるのか?

まず大前提として、士業の世界では「初回の印象=すべて」と言っても過言ではありません。士業は高額なサービスが多く、依頼者にとっては“失敗したくない”という心理が強く働きます。

実績よりも“安心できる理由”を求めている

多くの依頼者は「ベテランかどうか」よりも、

  • 自分の悩みに共感してくれているか?
  • 専門的な知識を持っていそうか?
  • きちんと対応してくれそうか?

このような「態度」や「空気感」に強く影響されて行動します。

つまり、実績が少なくても「この人、しっかりしてそうだな」と思わせれば、それで充分に勝負できるのです。

信頼感は「構成」で演出できる

「信頼されるかどうかは、デザインの高級感や写真の印象次第では?」と考えがちですが、実はそれよりも【文章構成】のほうが圧倒的に影響力が大きいです。

例えば、以下の2パターンを比べてみてください。

パターンA:典型的な初心者ホームページ

  • 自己紹介(簡単な経歴)
  • 対応業務の羅列
  • 「お気軽にご相談ください」

パターンB:構成にひと工夫を加えた例

  • よくある悩み(共感ポイント)
  • その悩みに対して“なぜ自分が対応できるか”の理由
  • その上で自己紹介
  • 料金の目安や手続きの流れ
  • 最後に「ご相談はこちら」

パターンBの方が圧倒的に「読んだあとに安心感がある」と感じませんか?

これは「順番」を変えただけ。構成で人の印象は簡単に変わります。

実績ゼロでも使える“頼れる構成”5ステップ

ここからは、実際に使える構成テンプレートを5ステップで紹介します。

STEP1:共感ゾーン(読者の悩みを言語化)

最初の数行で「あなたのことを分かっていますよ」という空気を作ります。

例:

  • 「相続のことで家族ともめていて、専門家に相談したいけれど、誰に聞けばいいか分からない。」
  • 「法人設立したけれど、労務のことが全然分からなくて、どこから手をつけていいか悩んでいませんか?」

この“問いかけ”スタイルは効果抜群です。

STEP2:自分の視点・方針の提示

すぐに自己紹介に入るのではなく、“どういう考えで仕事に向き合っているのか”を示します。

例:

私は「専門用語を使わない説明」と「先に全体像を示す」ことを大切にしています。

特に初めてのご相談者様には、安心してもらうために“5分で全体を把握できる”ような説明を心がけています。

これは、見込み客の「自分に合う士業かどうか」を判断する材料になります。

STEP3:知識・背景の提示(ストーリー型)

ここでようやく「プロフィール」に触れますが、単なる経歴の羅列ではなく、ストーリー調で語ります。

NG例:

○○大学卒業後、××事務所に勤務。2023年に独立。

OK例:

元々はサラリーマンとして働いていましたが、ある時、家族の相続トラブルをきっかけに法律に関心を持つようになり…。

このように“なぜこの仕事を選んだか”という背景を語ると、信頼につながります。

STEP4:対応できることの明示(サービス内容+理由)

このセクションでは、具体的なサービス内容と、それに対応できる根拠をセットで記載します。

例:

たとえば「認知症の親の財産管理」については、家庭裁判所への後見申立や、日常の金銭管理に関するアドバイスまで対応可能です。

元々、親の介護経験があることから、このテーマには特に力を入れています。

ここで“個人的な経験”や“学びの姿勢”を混ぜ込むと、より濃くなります。

STEP5:未来視点(依頼後のイメージを描く)

最後に、「相談するとどうなるか」を読者に想像させます。

例:

ひとつひとつの不安を言葉にしていただければ、難解な制度も“図解”と“例え話”で一緒に整理していきます。

終了後には「スッキリした」と言ってもらえることが、私の何よりの励みです。

このように“安心感のある結末”を想像させるだけで、依頼のハードルは一気に下がります。

よくある失敗パターンと改善策

最後に、初心者がやりがちなNG例をいくつか紹介します。

  1. 自己紹介から始めてしまう
    →共感がない状態でプロフィールを語っても、読まれにくいです。
    改善:読者の悩みや背景に共感する言葉を冒頭に入れてから自己紹介へ。
  2. 対応業務だけを箇条書き
    →「○○できます」だけでは差別化できません。
    改善:「なぜできるのか」「どう対応するのか」の説明を入れましょう。
  3. 長すぎて途中で離脱される
    →文章はできるだけ短く、読みやすく。
    改善:見出しと短い段落で区切り、重要ポイントを絞る。

まとめ

実績がない士業でも、信頼を得ることは十分可能です。
ポイントは「共感」「自分の仕事への姿勢」「個人的な背景」「具体的な対応力」「依頼後の未来イメージ」を順序よく示すこと。

ぜひこの記事の構成テクニックを使って、ホームページやブログの文章を書き換えてみてください。
「実績がなくても頼れる感」がグッとアップするはずです。