HTMLが少し分かるだけで「制作業者選び」が10倍うまくいく話
ホームページを作りたい、リニューアルしたい——。そう思ったとき、避けて通れないのが「制作業者選び」です。
とはいえ、いざ依頼しようとすると、どこを選べばいいのか分からず、知り合いの紹介、広告で見かけた会社、検索結果の上位に表示された業者……と、なんとなくで決めてしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、たとえばほんの少しでもHTML(エイチ・ティー・エム・エル)の知識があるだけで、この制作業者選びがぐっとラクになり、結果的に「失敗しないホームページ制作」が実現しやすくなるのです。
この記事では、なぜHTMLの基本を知っておくだけで制作業者選びがうまくいくのか、その理由と具体的な活用法について、わかりやすく、かつ実用的に解説していきます。
1. 「丸投げ」は危険?——なぜ発注側に知識が必要か
ホームページ制作は「デザインとコーディングをお願いすればいい」と思っていませんか?もちろん、それ自体は間違いではありません。しかし、制作というのは言わば「共同作業」。
発注側にまったく知識がないと、業者からの説明も理解できず、判断もすべて任せるしかなくなります。すると、完成品を見て「なんか違う……」と思っても、修正依頼のポイントさえわからず、結果的に費用や時間が余分にかかってしまうことも。
制作側が不誠実だった場合、必要以上に作業項目を増やしたり、不透明な費用を請求されることすらあります。
そのリスクを減らすために必要なのが、「基礎的な知識」です。中でもHTMLの理解は、最も効率よく、もっとも役立つ知識の一つです。
2. HTMLってそもそも何?
HTML(HyperText Markup Language)とは、簡単に言えば「ホームページの骨組み」を作るための言語です。
たとえば、以下のようなものがHTMLで記述されます。
- 見出し(タイトルなど)
- 段落(テキストブロック)
- 画像の表示
- リンクの設定
- 表やリストの構造
たとえば、こんなコードがあります:
<h1>会社案内</h1>
<p>私たちの会社は〇〇を提供しています。</p>
<a href="contact.html">お問い合わせはこちら</a>
これだけでも、「大きな見出しがあり、説明文が続き、リンクが設定されている」ことがなんとなくわかると思います。
これが、HTMLの持つ力。構造を把握することで「何がどこにどう配置されているか」が見えてくるのです。
3. HTMLがわかると見えてくる、制作業者の“仕事ぶり”
実は、制作会社の良し悪しは、提出されたHTMLコードやサイトの構造を少し読むだけで分かることがあります。
A. コードの整理整頓ができているか?
- インデント(字下げ)が整っているか
- 不要なコードが残っていないか
- コメントが適切に書かれているか
コードが読みやすいということは、作業の工程が丁寧である可能性が高いというサインです。
B. 意味のあるタグが使われているか?
見た目を整えるためだけに<div>ばかり使っている場合、本来あるべき<header>, <nav>, <article>などの「セマンティックタグ(意味を持つタグ)」が無視されている可能性があります。これは、検索エンジン対策(SEO)やアクセシビリティの観点からもマイナス。
HTMLが少し分かるだけで、そういったポイントを「なんとなくでも見抜く」ことができるのです。
4. 制作業者との会話がスムーズになる
ちょっとしたHTML知識があると、制作業者とのやりとりがぐんとスムーズになります。
たとえば、
- 「この見出しはですか?h3ですか?」
- 「alt属性はちゃんと入っていますか?」
- 「リストはulで組まれてますか?」
といった質問ができるようになります。これは、相手の技術レベルを測る手段でもあり、「この依頼主は知っているな」と思わせることにもつながります。
もちろん、いきなり専門家のように話す必要はありません。要は、コミュニケーションの「ベース」を持つことが大事なのです。
5. 相場や見積もりの内容が理解しやすくなる
制作費の見積もりは、パーツごとに分かれていることが一般的です。
- トップページ制作:〇万円
- 下層ページ1Pあたり:〇千円
- コーディング作業費:〇万円
- SEO対応:〇万円
このとき、HTMLの知識があると「この項目はどんな作業を指しているのか」が想像しやすくなります。
「コーディング」= HTMLやCSS(デザイン調整用の言語)を書く作業だと分かっていれば、「工数が多ければ金額が上がる」と理解できるようになります。
6. 自分でもちょっと修正できるようになる
たとえば、テキストの一部を書き換える、リンク先を変更する、画像を差し替える。
そんな作業なら、HTMLの基本を知っていれば、わざわざ業者に依頼しなくても、自分でサクッと直すことができます。これは時間的にもコスト的にも大きなメリットです。
もちろん、すべてを自分でやる必要はありませんが、「簡単なことなら自分でできる」状態になっておくと、精神的にもとても楽になります。
7. 独学で学ぶには?無料で学べるHTML入門
以下は、初心者でも学べる無料HTML学習サイトの一例です。
- ドットインストール(動画でわかりやすく)
- Progate(スライドと実践型)
- MDN Web Docs(やや専門的だが丁寧)
特にProgateは、初心者向けのビジュアル設計が秀逸で、楽しく学べると評判です。
8. HTMLを学ぶと「依頼者としての立場」が変わる
HTMLの知識があると、業者選びで「判断する力」を持つことができます。
- コードを見て、仕事の質をある程度判断できる
- 会話で専門的な部分を理解できる
- 無駄な費用に気づける
- 小さな修正を自分で行える
つまり、依頼者でありながら、ちょっとした「制作サイド寄りの視点」を持てるようになるわけです。これは、どんな業者にとっても“手強くも頼れる”存在になるということ。
まとめ:わずかなHTML知識が、大きな武器になる
「ホームページ制作なんて、専門家に任せればいい」と思っている方ほど、実は「何も知らないこと」によって大きな損をしている可能性があります。
逆に、ほんの少しのHTML知識があるだけで、
- 業者の良し悪しが分かる
- 費用の内訳に納得できる
- 細かい修正が自分でできる
など、得られるメリットは計り知れません。
もし、これからホームページ制作を検討しているのであれば、HTMLの基礎をざっと学んでみることをおすすめします。
「たった数時間の学習で、何十万円分の“失敗”を回避できる」としたら、それは間違いなく価値のある時間だと言えるでしょう。