お客様は「情報」ではなく「確信」を探している
インターネット上には情報が溢れている。
「ホームページ制作 比較」「制作会社 おすすめ」「自分で作る ホームページ」——検索すれば、瞬時に数千件、数万件のページが表示される。あらゆる意見が飛び交い、どれもそれなりに正しく、時に矛盾している。
これは、情報が足りないのではなく、情報が多すぎるから起こる現象だ。
そして、そんな中でホームページ制作を検討している中小企業の経営者、個人事業主、フリーランスの方々が本当に求めているのは「情報」ではない。
それは「確信」だ。
01. なぜ「情報」では動けないのか
情報は意思決定の材料にはなるが、背中を押してはくれない。
例えば、「WordPressは無料で使えるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)で、世界中で利用されている」——これは正しい情報だが、それを読んで、「だからWordPressで行こう」と決められる人は意外と少ない。
なぜなら、その情報が「自分に合っているかどうか」がわからないからだ。
- どこまでが無料なのか?
- どんな人が使っているのか?
- 自分で更新できるのか?
- デザインはどうなるのか?
情報はあくまで断片的であり、それが自分の状況に照らし合わせて「ピン」とこないと、安心して選べない。
人が動くとき、それは「これで大丈夫だ」という確信があるときだけだ。
02. 確信を持たせるものとは
では、どうすれば人は「確信」を得られるのか?
それは、以下の3つの要素が揃ったときだ。
- 納得感
- 具体性
- 再現性
1. 納得感
専門的なことを専門的に言われても、人は納得しない。逆に、例え話や実例、他人の体験談などを通して「そういうことか」と腑に落ちる説明があったとき、人は納得する。
「ウチは社員5人でやっていて、自分でブログ更新する余裕もない。だからCMSよりも固定ページ中心の設計が合っていた」
そんな体験談が1つあるだけで、「自分もそうかもしれない」と思える。
2. 具体性
「SEOに強いです」「スマホ対応してます」——こうした言葉は、便利だが抽象的だ。
「SEO(検索エンジン最適化)に強い」とはどういうことか?
- 検索順位が上がるまで何ヶ月かかるのか?
- 何をどうすれば強くなるのか?
- 他の人はどういうキーワードで成果が出たのか?
これらが具体的に語られないと、人は不安を感じる。
3. 再現性
再現性とは、「この人ができたなら、自分にもできそう」と思わせる要素だ。
たとえば、
「Excelしか使えなかった私が、今ではホームページの更新を自分でしています」
という声があれば、それは再現性のある希望になる。
逆に、
「プロのデザイナーがフルコードで構築しました」
という情報は、すごいとは思っても「自分には無理だな」と距離を感じてしまう。
03. ホームページ制作における「確信」の持ち方
ホームページ制作というのは、業者に丸投げしても終わらない。
実際に問い合わせを増やすには、業種・事業内容・顧客層などに応じて「誰に向けて、何をどう見せるか」を考えなければならない。
そのとき、以下のような視点が確信を持たせてくれる。
- 他社の事例から学ぶ
- 見積もりに根拠があるか
- 更新や運用を誰がどうするか
・他社の事例から学ぶ
似たような規模、似たような業種で成功しているホームページの事例を探す。単なるポートフォリオではなく、
- どんな目的で作ったのか
- どんな運用をしているのか
- 実際に成果があったのか
を読み取ることが大事。
・見積もりに根拠があるか
制作費用にバラつきがあるのは当然だが、その根拠が明確に語られているかどうかで「信頼度」が変わる。
曖昧な説明しかない場合、「追加費用がどんどんかかるのでは?」という不安が残る。
・更新や運用を誰がどうするか
「納品して終わり」では意味がない。自分たちでどこまでできて、何を任せるべきか。
これをイメージできるようになると、「作っても意味がないのでは?」という不安が消えていく。
04. 情報よりも、問いを探す
「情報を集めること」が正解ではなく、「正しい問いを持つこと」が確信に繋がる。
- 自分の業種では、どんなページ構成が適している?
- ホームページは何を目的にするべきか?
- 自分でやるべきこと、業者に任せるべきことは?
こうした問いを立て、答えを自分で咀嚼していくことで、初めて「確信」に近づける。
そして、その確信が、行動を可能にする。
05. 情報があっても「不安」は消えない
どれだけ詳しい資料を読み込んでも、比較サイトで表を見比べても、不安は完全には消えない。
それは、情報が断片的である以上、しょうがないことだ。
だからこそ大事なのは、「確信できる要素」があるかどうか。
- 納得できるストーリーがあるか
- 自分の状況に置き換えられる具体例があるか
- 「これなら自分でもやれそう」と思えるか
情報の海に溺れる前に、「何に確信したいのか」を先に考える方が、ずっと近道だ。
06. 最後に:確信とは、他人の言葉に宿ることがある
「自分で考えろ」と言われるとプレッシャーだが、誰かの体験談や、ちょっとしたつぶやきの中に「まさに自分もそれだ」と思える瞬間がある。
その瞬間が、「情報」から「確信」へと昇華するタイミングだ。
このブログでは、そんな確信のきっかけになるような事例や視点、考え方を今後も発信していく予定だ。
次にホームページについて何かを調べるとき、ぜひ「情報」ではなく、「自分が納得できる問い」に意識を向けてみてほしい。
——あなたが今、本当に欲しいのは、「情報」ではなく「確信」なのだから。